2019.12.08

3連覇を目指すチームを率いる司令塔の岡田「チームが勝つためにプレーします」/ 東京医療保健大学

 12月9日(月)より、第71回全日本大学バスケットボール選手権大会(#インカレバスケ)が開催されます。関東女子からは加盟校を代表してリーグ戦上位11チームが参戦します。今日は関東1位の東京医療保健大学をご紹介致します。


 今季のリーグ戦で全勝優勝を果たした東京医療保健大学。現在インカレ2連覇中で3連覇のかかる大会となる。アグレッシブなディフェンスやリバウンドと緻密なチームオフェンスを武器に40分間ハードに戦い続ける。

 個性豊かなメンバーが揃う東京医療保健大学で最も注目すべきなのは最上級生だ。豊富な代表経験を持つキャプテンの#32 永田 萌絵(4年/長崎商業高)や、圧倒的なキレとスピードでディフェンスを切り裂くドライブを武器とする#13 平末 明日香(4年/四日市商業高)はリーグ戦で全試合にスタメンで出場し、1試合平均17.2得点(6位)を記録した。

(#13 平末 明日香)

 さらに、確率のいいジャンプシュートで得点を重ねる#18 藤本 愛妃(4年/桜花学園高)がチームを支える。インサイドの要となるのは、パワフルなプレーが魅力の#5 パレイ ノリコ(2年/明星学園高)と、190cmの身長を生かしたリバウンドで相手の脅威となる#8 ジョシュア テミトペ(1年/高知中央高)だ。下級生ながら攻守にわたりリバウンドで存在感を見せ、得点を積み重ねる。

 また、アグレッシブなドライブでチャンスを広げる#2 赤木 里帆(3年/桜花学園高)と、ダイナミックなプレーが魅力の#3 崎原 成美(3年/学館浦安高)、粘り強いディフェンスに加えシュート力の光る#12 木村 亜美(2年/東京成徳大高)らのプレーにも注目したい。

(#18 藤本 愛妃)


 そんな個性あふれるメンバーをまとめるのはポイントガードの#14 岡田 英里(4年/明秀日立高)だ。今回は岡田選手にインカレに向けてお話を伺ってきた。昨年のインカレでも主力として全試合にスタメンで出場し2連覇に大きく貢献した岡田選手にインカレを目前に控えた今の気持ちを尋ねると、「最後のインカレなので優勝したいという気持ちが強く、全員で準備していて、インカレへの気持ちが高まっています。」と静かに闘志を燃やしている。

 また、「自分達が1年生の時に準優勝でその次の年から優勝しているので、どちらも経験していて、負けた時の気持ちとか勝った時の気持ち、すごく天と地の差なのがわかっているので、やっぱりインカレにかける気持ちは大きいです。」と話す岡田選手は、準優勝を経験した1年生の時の心情について「2位なのに最下位くらいの気持ち」と話し、「負けた後の4年生の姿を見て悔しかった」と自身の経験を振り返った。

 3連覇がかかっている今大会、やはり3連覇への気持ちは大きいのではないかと尋ねると「とにかく優勝することが大事。そんなに簡単なことではないので、一戦一戦戦っていきたいです。」と3連覇へのこだわりはなく、あくまで優勝することが大切と話し、プレッシャーもあまり感じていないようだ。「チームが勝つことが優先、チームが勝つためにプレーします。」と個人の出来よりチームの勝ちにこだわる姿勢には話を聞きながらも頼もしさを感じた。

 いつも強気なプレーで流れを作る岡田選手は、自身の役割について「ガードとしてずっとやってきて、自分が積極的に点を取りに行くことも大事だけど、やっぱりみんなを活かすことが大事だと思っていて、自分達のバスケットがリズムよくなっていくようにガードとして構成していくことが役割だと思っています。」と認識しコート上で遂行している。岡田選手の味方を活かす鋭いアシストパスは注目してほしいプレーの1つだ。

 昨年のインカレ優勝メンバーと主力選手が大きく変わらない中でも、4年生になって「リーダーシップを取るようになった」と話す岡田選手。バスケットの時には積極的に後輩ともコミュニケーションを取るなど、昨年のインカレでももちろん高い意識で臨んでいたが、最上級生としての意識が加わりより高い意識で臨むようだ。


 今回は一緒に取材をさせたいただいたチームメイトで同期の永田選手と岡田選手に普段の東京医療保健大学の様子についてもお話を伺うことができた。今季キャプテンを務める永田選手だが実はなかなかキャプテンを決められなかったと明かした。例年は4年生で話し合って決めることが多いが、今年は悩んだ末に決めきれずスタッフの方の推薦で永田選手がキャプテンを務めることになった。

 東京医療保健大学といえば、恩塚監督の指導のもと日々厳しい練習をしているイメージがあるが、お二人に実際の練習の雰囲気について尋ねると、口を揃えて「ピリピリ度は変わらない」とコメント。入学当初に感じた「ピリピリ度」は最上級生になった今も健在。それこそが東京医療保健大学の強さに繋がる要因の一つなのではないだろうか。しかし「オフはがっつり遊びます(笑)」と話すように週1回のオフは遊びに行くなどしっかりリフレッシュもできているようだ。

 また、東京医療保健大学を応援してくれている方が知らない意外な一面について探ると、「寮がすごくうるさいです(笑)」と永田選手。女子バスケ部専用の寮で暮らしていて「1年生は静か、2~4年生は元気で本当にうるさい。」と普段の様子を明かしてくれた。確かに東京医療保健大学といえば、コート上だけでなくベンチでもエネルギッシュに盛り上がる様子が多々見られたが、その光景が普段の寮の様子に近いそうだ。

 永田選手は、岡田選手の普段の印象について「英里は、めちゃくちゃランぺ(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が好きなんです。ランペの長谷川慎っていうパフォーマーのことがめちゃくちゃ好きで、普段は乙女なんですよ。」とコート上ではクールなイメージのある岡田選手のプライベートな一面を明かす。岡田選手自身もイベントでハイタッチをして「死ぬかと思った(笑)」と笑顔を見せた。永田選手は岡田選手のプレーについては「コートではめちゃくちゃ頼りになる。どんな時もブレずに強気なので、それに自分も引っ張られている部分はあるし、何でもできるんですけど特にそういう強気な姿勢からのオフェンス力に注目してほしいです。」と、キャプテンからの信頼の厚さが見受けられた。

 最後に岡田選手は「最後のインカレなので絶対優勝して、4年間やってきてよかったなって悔いなく終わりたいです。」とインカレの意気込みを話した。


▼岡田 英里

(東京医療保健大学/NO.14/4年/明秀日立高)

 今季のリーグ戦では、出場した10試合でスタメンを務め、1試合平均14.3得点、3ポイント同2.5本、同2.2アシストを記録したほか、大会MVP(最優秀選手賞)を獲得した。


 東京医療保健大学は9日、東海地区の桜花学園大学との初戦を迎える。連覇を達成した前回大会も準々決勝、準決勝と決して簡単に突破したわけではなく、一戦一戦をチームで戦い抜き女王の座を勝ち取った。第1シードとして迎える今大会、リーグ戦では全勝優勝を果たしたが、いろんなチームのたくさんの想いが重なり合う最後の大会となるインカレでは、苦しい局面にも出会うだろう。しかしどんな時も強い姿勢で戦い続ける岡田選手をを中心に、さらにチーム力をあげた東京医療保健大学はその壁に立ち向かい、インカレ3連覇に向かって突き進む。黄金世代といっても過言ではない東京医療保健大学の4年生が、チームメイトとしてともに出場する最後の大会であるインカレにかける強い気持ちがこもったプレーは、一瞬たりとも見逃せない貴重な試合となるだろう。3連覇への挑戦が今、幕をあける。


▼初戦

日時:12月9日(月)16時30分~

会場:エスフォルタアリーナ八王子Aコート

対戦:桜花学園大学(東海4位)


▼ロスター

https://jubf.jp/game/university-detail/id/54/type/intercollege/y/2019/s/women


▼大会公式サイト

https://jubf.jp/game/index/type/intercollege/y/2019/s/women


▼日程 ※女子

2019年12月9日(月)~14日(土)

▼会場

エスフォルタアリーナ八王子(12月9日~11日)

駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館(12月12日~14日)

#大学バスケ #大学日本一決定戦

Writer
松本 さくら(マツモト サクラ)

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